派遣社員は社会保険にいつから加入できる？支払いが発生するタイミングや支払う費用相場も紹介

「派遣社員として働きたいけど、社会保険には加入できるのかな？」と疑問をお持ちではありませんか？結論からいうと、派遣社員でも社会保険に加入できます。ただし加入条件をクリアしなければなりません。今回は派遣社員が社会保険に加入するための条件や加入時期、保険料についてご紹介します。

派遣社員は社会保険にいつから加入できる？

派遣社員でも社会保険には加入できます。派遣社員が社会保険に加入できるタイミングについてまとめました。

■2か月以上働く場合は勤務初日から社会保険に加入できる

社会保険は原則として2か月働く場合しか加入できません。2か月以上働く場合は、勤務初日から社会保険に加入できます。たとえば契約期間が7月1日〜9月30日までの場合は2か月以上になるため、7月1日から社会保険に加入できます。

■雇用期間が2か月未満の場合、契約更新時に社会保険に加入できる

もし雇用期間が2か月未満の場合は、契約更新して2か月以上働くと社会保険に加入できます。たとえば7月1日〜8月31日の雇用契約の場合、ギリギリ2か月に届きませんが、契約更新して9月1日以降も働いた場合は2か月以上になるため、社会保険に加入できます。社会保険に加入できたら期間をさかのぼり、勤務初日の7月1日から社会保険が適用されるため安心です。

■社会保険の内容も理解しておきましょう

社会保険とはケガや病気、失業などのリスクから企業と労働者を守るための保険です。医療保険、年金保険、介護保険、雇用保険、労災保険の5つの保険をまとめて「社会保険」と呼んでいます。

派遣社員が社会保険に加入するためには？

派遣社員が社会保険に加入するためには、いくつか条件があります。派遣社員が社会保険に加入するための条件や流れをくまなく見ていきましょう。

■社会保険に加入するためには条件が2つある

派遣社員が社会保険に加入するためには、条件が2つあります。1つ目は2か月以上の雇用期間で週の所定労働時間が30時間以上であること、2つ目は週の所定労働時間が20時間以上で、月額賃金が8万8,000円以上あり、かつ1年以上の雇用契約期間があることが条件です。所定労働時間とは「会社が定めた労働予定時間」というもので、雇用契約書に書かれている労働時間を意味しています。

■必要書類を準備しよう

派遣社員が社会保険に加入するために必要な書類があります。雇用保険被保険者証や年金手帳などが必要になることが多いでしょう。社会保険に加入する場合は、派遣会社が提示する必要書類を事前にそろえておくのがおすすめです。

■派遣会社が加入手続きをしてくれる

社会保険への加入手続きは、基本的には派遣会社が行います。社会保険の加入条件を満たしている場合は、派遣会社から通知があります。自分で手続きをする必要はなく、雇用保険被保険者証や年金手帳などの書類を準備しておくだけでOKです。

■条件を満たしている場合は社会保険に必ず加入しなければならない

社会保険は条件を満たしている場合、加入が義務付けられています。「条件を満たしているけど社会保険には加入したくありません」といういい分は通らないので注意しましょう。もし諸事情で社会保険には加入したくない場合、はじめから派遣会社のスタッフに伝えておくのが無難です。

派遣社員が社会保険に加入するメリット

派遣社員が社会保険に加入すると、さまざまなメリットがあります。いざというときの心強いサポートが受けられるため、社会保険にはできるだけ加入しておきましょう。

■将来の年金が増える

社会保険に加入すると厚生年金を支払うため、将来もらえる年金の金額がアップします。日本の年金は国民年金、厚生年金、企業年金の3段階に分かれており、国民年金は全員に加入義務がありますが、厚生年金や企業年金は条件を満たさなければ加入できません。国民年金だけを支払った人よりも、国民年金と厚生年金を支払った人のほうが将来もらえる年金額が高くなります。

■年に1回の健康診断を無料で受診できる

社会保険に加入していると、1年に1回の健康診断を無料で受けられます。健康診断は自費で受けると5,000円〜2万円とかなりの出費になりますが、社会保険に加入していると指定の医療機関にて無料で健康診断を受けられるため安心です。社会保険に加入したらぜひ活用しましょう。

■入院時や出産時に費用がお得になる

社会保険に加入していると高額療養費制度が利用できたり、傷病手当金や出産育児一時金の支給が受けられたりと、なにかとお得です。入院や手術などで医療費が高額になってしまった場合、「​​限度額適用認定証」の交付を受けて病院に提示すると、所得に応じた自己負担限度額ですむため安心です。

また入院やケガで会社を休んだ場合は傷病手当金がもらえる上に、出産時は子ども1人につき42万円の出産育児一時金がもらえます。

派遣社員の社会保険料と支払いタイミング

社会保険料の支払いは、いつ行われるのでしょうか。自分で支払うのか、給料から引かれるのか、気になるポイントを3つに分けてご紹介します。

■社会保険料は企業と従業員で半分ずつ支払う

社会保険料は企業と従業員で半分ずつ支払うものとなっています。社会保険料は給与の16％なので、8％ずつを企業と被保険者で折半するのが基本です。ただし、保険によって負担額が異なるため、厳密にいうと8％ぴったりではありません。目安の負担率として参考にしてください。

■社会保険に加入した翌月の給料から天引きされる

社会保険料は、基本的には社会保険に加入した翌月の給料から天引きされます。たとえば7月1日入社した場合は、7月分の社会保険料は8月の給料から引かれます。自分で支払う必要がないため特別な手続きはいりません。

■社会保険料が2か月分徴収される場合もある

給与が「月末締めで当月払い」である企業で、月末に退職した場合は社会保険料が2か月分天引きされます。たとえば「月末締めで当月25日払い」で、9月30日に退職した場合は、9月25日に支払われる給料から8月分と9月分の社会保険料が引かれます。

派遣社員でも社会保険には加入できますが、条件を満たさなければなりません。社会保険は勤務初日から適用され、支払いは翌月の給料から天引きされるのが一般的です。ケガや入院、出産時に手厚いサポートを受けられるため、いざというときに安心の保険でしょう。